2016年3月6日、第9回絆塾を開催しました。

講師紹介

法医学と法看護学

photo
主田英之氏
(兵庫医科大学法医学講座)
「法看護」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 法看護とは、暴力と虐待の被害者と加害者への特別なケアを指し、1990年代より北米やカナダを中心に発展した、比較的まだ新しい看護領域である。
DVや性暴力、虐待被害者をケアする「法看護師」とは?|「山﨑絆塾」より

日本ではまだなじみの薄いこの法看護について解説て頂きました。

参加者の声

参加されました方からの感想を御紹介いたします。

第9回山崎絆塾 「看護管理」、「法医学と法看護学」に参加して

はじめに、私は医療関係者ではありません。

行政書士という立場で参加しましたが、二十数年間、テーマパークという非日常の空間で、超現実的な災害の発生を想定し備える仕事をしていましたので、災害医療についても大きな関心を持っています。

知識と意識・イメージがとても大事で、そして、行動は更に大事です。

この山﨑絆塾は既に行動を起こしています。これまで5回ほど参加させて頂いています。そして毎回、沢山の情報とやる気を頂いています。感謝です。

今回のプログラムには、「南三陸病院でのボランティア活動に参加して(報告)」もありましたので、参加した私としても楽しみな内容でした。

「看護管理」という言葉にこれまで触れたことはありませんでしたが、組織論としてこれまでの経験をベースに真下先生のお話を拝聴しました。

真下先生の説明に、うなづくことばかりです。トップの考えが、末端まで行き届いている組織が強い組織だと思います。

マニュアルがあってもなくても、リーダーの指示があってもなくても、能動的にそれぞれが自分のなすことをする現場の力です。先を読み調整する力です。

看護師の皆さんは、高い使命感を要求され、時に自分の大切な家族も二の次にしなければならない環境におかれます。看護師の姿が病院の空気感だと思います。次に病院に行った時には看護師さんに感謝します。

主田先生の法医学と法看護学のお話は、相続手続きを行う行政書士として貴重な情報でした。相続手続きにおいては重要なことは、死亡年月日(日時)です。

その死亡時刻は医師が証明し、戸籍に記載されます。これは同時死亡の推定とも関係し、相続に大きく影響する超現実の話で、ドラマを超えています。法医学は面白い!

医療現場をイメージすると、ただただ頭が下がることばかりです。医療従事者の方もメンタルケアは大事、気合と根性だけでは乗り切れない現実があります。

優しい気持ちになれた絆塾でした。医療従事者の皆様に感謝です。

石井修一

第9回山崎絆塾に参加して

私は災害に遭遇した際に何が出来るのか、という思いから災害について学習し始め、神奈川県災害支援ナースとして登録したのが、東日本大震災の数カ月前でした。

その支援ナース登録をきっかけに、山崎絆塾と御縁があり、何度か参加させて頂いています。災害について、少しでも多くの知識を習得し、発災に備えたいと思っています。

午前中に行われた「看護管理」では、日常における医療の質の向上を図る為に、クリ二カルインディケータを活用したマネジメントについてお話しがありました。具体的ないくつかの病院事例を伺い、自分の勤務する職場でも検討し活用したいと思いました。

また、東日本大震災で被災し復興した医療機関で行われたリーダーシップについて調査した結果をお話し下さいました。非常時に備えて、教育などによる組織力の向上と、リーダー資質などの人材把握が大切なのだと再確認しました。

午後には「法医学と法看護学」についてお話しがありました。

今回初めて法看護学を知りました。患者(相手)に倫理的配慮しながら充分に観察し、その結果を的確に記録するという看護師の基本は同じだと理解しました。

傷に見立てたシールを体に貼り、それを記録するというワークを2人組で行いましたが、言葉の共通理解が重要だと感じました。

今回の午前中の講義の中で、“平時のリーダーは「After you」と部下のマネージャーに任せ、有事には「Follow me」と自ら先頭に立ち部下を指揮する”という言葉が紹介されました。

災害は非日常ですが、日常の延長です。平時からの教育を含めた看護管理、言葉などの共通理解・共通認識が、災害の備えの基礎になるのだと改めて感じました。

今後も私が出来る事を日々重ねながら、山崎絆塾に参加し、東日本大震災をはじめ様々な災害で被災された方々に少しでも関わり続けられればと思っています。

今回ご講義頂いた真下先生、主田先生、また主催して下さった山崎先生、山崎絆塾の皆様に深く感謝致します。

菊名記念病院 伊東真由美

Copyright© Tatsue YAMAZAKI